第9回アフリカ開発会議(TICAD9)を前にJICAと日本?アフリカ?ユースキャンプを開催
2025/8/20
日本政府は本年8月20~22日、横浜で第9回アフリカ開発会議を開催します。
同会議では、横断的テーマとして「若者」が掲げられていることもあり、それに先立つパートナー事業として、8月7(木)、8日(金)、埼玉大学とJICA(国際協力機構)は「日本?アフリカ?ユースキャンプ」を開催(於JICA東京)しました。
本キャンプでは、本学の日本人学生20名、アフリカ人留学生8名(本学及び国際大学(新潟)のガーナ、ケニア、ナイジェリア、チュニジア出身大学院生)が参加し、2日間にわたり活発な意見交換?交流を行いました。
【初日(8月7日)】
JICA東京紺屋健一所長、本学野中進理事?副学長よりの開会挨拶の後、JICAアフリカ部よりTICADの概要紹介、参加学生間での自己紹介?アイスブレイクがあり、続いて基調講演としてアフリカの水開発事業で多くの実績を有する埼玉県企業「株式会社 日さく」の溝淵正和海外本部部長から地下水プロジェクトの実例、水資源の社会的インパクト等幅広い内容のご説明を頂きました。また、アフリカ農村地帯での水確保の苦労を肌で理解すべく、18リットル入りの水タンクを運ぶ競走をする体験コーナーもありました。
学生によるグループディスカッションセッションでは、「SDGsとアフリカの開発課題」、「日本?アフリカの若者交流の促進」というテーマでグループ分けし、学生リーダーによる進行の下、本学研究機構研究推進室 小中鉄雄教授、国際本部 長沢誠准教授等も加わって熱心な意見交換が行われました。前者では、アフリカ地域の特徴をSWOT分析で検証した後、日本?アフリカの共創的協力施策を提案、後者では両地域の認識ギャップの確認を踏まえ将来に向けた交流促進アイデアを披露する等、大学生らしく各自の専攻分野の知見も加味した議論、発表が行われました。
夕食時の交流会では、提供されたアフリカ料理につき留学生からの説明も受けながら歓談し、食を通しても相互理解が深まりました。
【2日目(8月8日)】
冒頭、本学の加藤基埼玉大学フェローより、ガボン等での大使経験や過去のTICAD参画等アフリカに対する豊富な知見を踏まえた講話を頂き、各留学生より今次TICADへの期待や今後の日本との関係のあるべき姿につき自国を代表する形で発表がありました。
続いて株式会社 明治より、カカオ豆からチョコレートに至るプロセス、カカオを巡るアフリカの開発課題(気候変動、児童労働、価格変動等)につきカカオマーケティング部晴山健史氏より、またガーナ、マダガスカルのカカオ事情や同国における同社の農家支援につき、カカオ開発部土居恵規参与、カカオ開発研究ユニット馬場研斗氏よりご紹介頂きました。また講義の合間に、模型を用いた現地カカオ農家等の説明やカカオ豆の焙煎、チョコレート製作の実演を間近で見る機会もあり、参加学生はチョコレートを味わいながらカカオやアフリカの未来につき思いを馳せつつ、熱心な質疑応答が展開されました。
閉会式ではガーナ駐在経験のあるJICA東京の澁谷和朗市民参加協力第一課長より、日本語の「お疲れ様」という表現に相当する「アイコー」という掛け声と「ヤーエー」という返事からなるガーナの伝統の紹介があり、それを用いて参加学生等による二日間の交流を讃えるエール交換が行われ、最後に修了証が参加者に授与されて、全プログラムが終了しました。
日本人学生からは、「これまで留学経験がない自分にとって、アフリカの留学生と一日中英語で話すことのできる濃く、充実した内容だった。」「留学生と意見交換する中でこれまでのアフリカのイメージが変わった。母国愛の強さ等は見習いたいと思った。」、またアフリカ人留学生からは、「日本人学生がとてもフレンドリーだったし、彼らの共創的協力に関する各種アイデアに感銘を受けた。」「今回のようにアフリカで活躍している日本企業についてももっと知りたい」等の振り返りがあり、双方にとって新たな発見?学びを得た貴重な交流機会になったようです。
埼玉大学は「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」を推進しており、今後とも本件のような多文化共修プログラムに積極的に参画していきます。
【外務省TICAD9公式HP】
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/ticad/ticad9/index.html
【JICA TICAD9特設サイト】
JICA TICAD9特設サイト - JICA

【1日目】
【2日目】
